塗り替え工事にまつわるエピソード集

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塗り替え工事を長年やっていると、さまざまな出来事に出くわしますが、

腹を抱えて笑ってしまうことや、目を丸くして驚くことなど、数え切れないほど

信じられないようなことがありますので、そんなエピソードの数々を

紹介してみようと思います。

エピソード1

今からもう30年以上も前になると思いますが、

まだ自分たちで丸太足場を組んでいた頃の話。

真夏の八王子はわたしが住んでいる埼玉に負けずに暑いところで、

その日もかなりの暑さでした。

当時の塗装職人といえば、ヘルメットも被らず”怪我と弁当は自分持ちだぞ!”

なんて言われてもそれが当たり前と思って働いていた時代です。

汗ぐっしょりで相棒と足場に乗って、外壁をローラーで塗装をしていたところ、

その家のご主人が家から出てきて、足場の下から「おーい、暑いだろ!」

「ビールでも飲みながらやれよ!」ですって…!!

そしたら、ほんとに缶ビールを下からほうり投げてくれました

足場の上でビールを飲むなんて…ね

もちろんこんなことって初めてで最後になったのは言うまでもありませんが

いや~ 美味しかったです!!

振り返ってみると、まだまだのどかで平和な時代だったんですかね…

エピソード2

同じ八王子の現場での出来事。

この頃は、現在のように自分で直接仕事を請けるよりも、営業会社から仕事を頂く

ことのほうが多かったときで、その現場も女性の営業マンが取った仕事でした。

その女子営業マンが言うには、「このお客様は色にうるさい人なので、

そのつもりでよろしく…」ということでした。そのつもりで営業マンと一緒に

お客様の家に色の打ち合わせに行きました。

で、施主の奥さんに色を決めてもらうため、塗料の色見本帳を見ていただくと

ある色を指さして「あたしはこの色が大嫌いなの!」というので、それ以外の色から

選んで頂くということにして。そのうえで近くに気に入った色の家があるので一緒に

見に行ってほしいということだったので、一緒に行くことになりました。

その気に入った色の家に着いてびっくり!

なんと、「あたしはこの色大嫌いなの!」といったその色そのものです。

それは営業マンの目にも同じように見えたのでしょう、お互い目を丸くして

言葉が出ません。

でも、それってお客様には言えませんよね…

しばし弱りましたが、そのことは不問にして、この色で仕上げていいのかを念押しして

その壁の色で仕上げることに決まりました。

その後、いうまでもなくその色で仕上げましたが、

お客様からは色に関する話は全く出ませんでした。

それどころか、後に”気に入った色で仕上がってよかった…”といって

奥さんは喜んでいましたよという営業マンからの報告がありました…

エピソード3

これも丸太で足場を組んでいた頃の話。

先程の営業マンとは違う営業マンの方と一緒にお客様の家に打ち合わせにいったときの話。

打ち合わせの対応に出てきてくれたのは、施主さんの奥さん。

打ち合わせの内容はというと、マスチックローラーによる波型仕上げにするか、

吹付けによる吹き付けタイル仕上げにするか…という選択の話し合いでした。

で、その波型仕上げと吹き付けタイル仕上げの違いを説明しようと思い

わたしが外壁を触りながら、「この壁はリシンだから…」

と言い終わらぬうちに、その奥さんがものすごいケンマクで

「あんた、塗装屋さんでしょう!」

「これはモルタルって言うのよ!」「そんなことも分からないの!」

と、壁を叩いてわたしに食ってかかってきました。

いや~ 弱りました…!!

仕事でなければ、すぐにでも反論できるのですが、それではまるきりお客様の顔を

潰してしまいますので、

とりあえず「すみません」と誤ってから、「奥さんの言う通り、この壁は

モルタルなんですが、そのモルタルにこのザラザラした砂粒状ものを

新築のときに吹き付けてあって、そのザラザラしてるのを、リシンとよんでるんですよ…」

と説明するとなんとか理解していただけたようで、無事マスチックローラーによる

波形仕上げで仕上げることができましたが、思い込みの激しい人を説得するのは

なかなかでした…ネ…

でも、無事仕事が終わったのですから、ま~ま~良かったのかな…

エピソード4

これも八王子の現場での話。

八王子には丘陵地を開拓してできた住宅地がたくさんあって、その住宅地には
同じような家がたくさん並んでいて、それを区切る道路も似たような道が何本もあって…
なかなか目指す家を探し当てるのがむづかしい住宅地がたくさんありました。

この現場もそんな中の住宅地にある現場でしたが、この営業マンは地元の人で
八王子を知り尽くしているような人でしたので、その営業マンに道案内をお願いして
目指すお宅に無事到着。

お客様に挨拶をして無事足場を組み上げ、夕方には自宅に戻って、
翌日の準備をしていたところ、先程の営業マンから電話がかかってきました。

その電話にびっくり!!!

なんと、さっき足場を架けた家は、本来足場をかけなければならない家ではない…!
というのです。

そんなバカな!奥さんだってよろしくお願いしますと言って、足場をかけるのが
わかっているようだったけど…と言ったら

すみません!あちらも足場をかける予定があって、今日がその日だと思いこんで
いたらしいんですよ…とのこと。

やむを得ない…というか、なんというか…

こんな間違いってあるんですね…

それも、こんなときに限って自分も含め、誰も表札を見ていなかったなんてね…

ま、間違ったことは事実なのですから、架け直ししなければなりません。

次の日、営業マンとともに架け間違えた奥さんに平謝りした後、足場をバラシたのは
いうまでもありません。

そしてさらに次の日、本物?の家の奥さんにまたまた平謝りして足場を架けて
無事仕事を完了しました。

しかし、間違いは誰にもあるものですが、こんな偶然がぴったり合った
間違いなんていうのはそうそうあるものじゃありませんよね…

と、今でも思い出してはおかしくなることがあります…

エピソード5

ある戸建住宅の塗り替えが決まって、その家に工事の打ち合わせに行ったところ
その家の敷地に若者が乗っていそうな車が駐車してあったので、
工事日にはどこか別のところに移動していただけないか…をお尋ねしたところ、
息子の車だけど塗り替えに反対だから、息子はどかさないと言ってるというのです。

仕方がないので、車を傷つけないよう、汚さないように注意をして、養生をして
工事をすることにしました。

結果、無事に工事を済ませることができたのですが、その車は工事が終わっても
そのままでした。

それからおおよそ10年近く経った頃、その家が気になって見に行ってみました。

すると、なんとあのときと同じ場所に同じ状態のままの車が放置されていました。

車はサビが発生していて、苔も付着している状態でした…。

このお宅は確かシングルマザーの家庭だったように思います…

この息子さんとお母さんとの間に何があったのか…

なんだかとてもさみしい気持ちで、その家をあとにしました…

その後その家を見に行ったことはありませんが、今もそのままでは…

と想像すると、なんだかとてもさみしい気持ちになります…。

その他諸々…

仕事にまつわる話はこの他にもたくさんありますが、中でも多いのは色に関することです。

あるお客様は、色見本帳に気に入った色がない!というので
色見本帳以外で気に入った色が見つかったらその色を見せてください。とお願いしたら
なんと、「金閣寺」の写真を持ってこられて、こんなふうにならないかな…
というお客様もいらっしゃいました…

また、テナントさんの入る小さなビルをオーナーさんの依頼で、オーナーさんの
指定の色で仕上げたところ、仕上がった色を見たテナントのオーナーさんはこの色が
気に入らないから自分の指定する色で塗り替えてほしい、追加の費用はわたしが
払う!というので、オーナーの了解を得てその色に仕上げました。

これでこの件は一件落着なのですが、実はこの現場のすぐ隣の住人がこの塗装工程を
見ていたようで…

その隣の住人は、なんと「お宅はほんとに丁寧だね…!」とべた褒めです。

それで、「うちもお宅にお願いしたいから、お願いします!」というのです…。

いや~!なんだか微妙ですよね…

嬉しいのか、後ろめたい…というのか…

結局はその家の塗り替えをさせていただきましたが、やっぱり嬉しいは嬉しいのですが
今だに微妙な心境ではあります…。

その他に、親御さんの決めた色で仕上げたら、息子さんがその色が気に入らず、
息子さんの色に塗り替えたり、フリーの営業マンから軽率に仕事を請けたら、
仕事が終わってもいつまで待っても入金がないので、直接お客様に尋ねたところ、
もうとっくに営業さんに払いましたよ…

なんてこともありました。

さまざまなことがあって今日に至っていますが、これから先ももまだまだ色々なことが
起こるのでしょうが、笑い話で住むことばかりであってほしいな…

なんて願っています…。

このエピソード集に引き続いて「塗替え工事にまつわるエピソード(パート2)」
アップしましたので、こちらも読んでいただけると嬉しいです。

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