趣味の釣りの話

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わたしは自分のプロフィールにも書きましたが、広く浅く多趣味です。

広く浅い趣味なので、どれも半端で自慢できるようなものは何一つないのですが、そうした底の浅い趣味の中の一つに海釣りがあります。

わざわざ海釣りと断ったのは、川釣りが嫌いだから…というわけではなくて、海釣りも川釣りもとなると、両方の道具が必要なことと、そんなに両方へ行く時間も費用もないからです。

川じゃなくてなぜ海なのかは簡単で、川魚より海の魚のほうがバリエーションも豊かだし、なんといっても美味しいからです。

だから、私は食べない魚の釣りはやりません。

例えば、ブラックバスやヘラブナ釣りに興味は有りません。

とま、こんな釣りを何十年も続けてきたので、釣りの多少の経験談を披瀝してみようかな…なんて思ったわけです。

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釣り好きは父親譲り…。

わたしの父親は、わたしより釣り好きだったと思っています、それこそ海も川もどちらも行ってましたし、投網まで持っていたのですから…

わたしが小学校高学年になった頃から、時々海釣りに連れて行ってくれるようになり、横浜港にある防波堤でハゼ釣りをしたのがわたしの最初の釣り経験です。

父親は色々な魚を釣ってきましたが、それをさばいて料理するのは母親、ある時父親はうなぎを釣ってきたことがあって、大騒ぎです。

母親は蛇が大嫌いで、蛇を想定させるうなぎを捕まえるのも大変なら 、それをさばくのはもっと大変!それでも必死の思いでつかんだのでしょうが、なにせ最初から及び腰ですから、まな板に乗せるのがやっとで、のせた途端にうなぎはあっという間に、古~い陶器製の流しの排水口から逃げていってしまいました…。

うなぎに逃げられて残念かというと、そうでもなくホッとしたというのが母親だけでなく、家族全員の気持ちだったのでは…と思っています。

なぜって、家の近くには鰻屋さんがあって、そこを通るたびに鮮やかな手付きで鰻をさばいているのをみんな見ていて、あの蒲焼の匂いを嗅いでいるのですから、とてもおふくろがあんな蒲焼が作れるわけはないと思っていて、あの蒲焼以外のうなぎ料理なんてとても美味しそうには感じていなかったからです…。

それ以来、父親がうなぎを釣ってくることは一度も有りませんでしたが、それでもなんだか気持ちの悪い雷魚なんかも釣ってきたりで、父親の釣ってきた魚であれは美味しかったな…なんていう想い出はないんですよね…

後、親父はプロの漁師さんのように投網の繕い物や、柿を腐らせた柿渋に投網をつけたりして、釣り道具の手入れはこまめに行っていた姿を思い出します…

そんな姿を見て育った自分ですが、釣りそのものには当時興味を持つことはありませんでした。
海はもっぱら潮干狩りや海水浴の場で、アサリやマテ貝を取るのが楽しみでしたし、食べるのも美味しかったので魚よりずっとずっと魅力的でした。

マテ貝に限らず貝は焼くとどれも美味しいですよね…
今は、このマテ見をなかなか見ることがことができなくなって残念です。

この頃って、ニシンが安かったせいだと思うのですが、ニシンばかり食べさせられていた記憶が強いので、余計に魚はなかなか好きなれなかったですね…

わたしが釣りを始めたのは成人してからで、近くの防波堤などに行ってはウミタナゴや子メジナ、キス、アイナメ、カワハギなどを釣って楽しんでいましたが、ある時仕事で知り合った友人が大物釣りに行かないか…という誘いを受けたのが、本格的な釣りにのめり込むはじめになりました。

ところで、わたしはウミタナゴをなぜわざわざ海タナゴと海をつけて呼んでるのかがわかりませんでしたが、後に川のタナゴと姿かたちがそっくりだということを知って納得しましたが、ウミタナゴについてはもっと驚くことがありました…。

ウミタナゴ
川(淡水)のタナゴ

それはある日、大きな子持ちのウミタナゴを釣ったことがあって、家に帰ってそれを自分でさばこうと腹を裂いてびっくりしました。

というよりゾッとしました!!

お腹から出てきたのは卵ではなく、小さな魚がゾロゾロとでてきたからです…!

魚の子供は卵だとばっかり思っていたのに、突然魚の子供がでてきたのでほんとに驚いて、しばらく動けませんでした、その小魚をどうするか考えていましたが、とても食べる気にはなれず内臓と共に廃棄してしまいました…。

しかし、ウミタナゴの子供が胎生だということがわかってくると、人間は残酷ですよね、次のときにはその小魚をかき揚げにして食べてしまったんですから…

初めての銭洲!

友人が誘ってくれた大物釣りというのは、いわゆる遠征釣りで、銭洲や金洲、イナンバと行った、伊豆七島のある海域へ釣行しようというもので、普段近場の乗り合い船でアジなどの五目釣りをするのとはだいぶ様子が違うようでした…

その誘ってもらった翌月であったか…、その遠征釣りに誘ってくれたS君とS君の友人Nくんと3人で、さっそく初めての銭洲に行くことになりました。

二人は都内在住なので、N君の車でSくんを乗せ、第3京浜を通って横浜の我が家に夜の11時頃迎えに来てくれます。そこからはわたしの運転で、横浜新道、西湘バイパス、135号線を経て下田に夜中の3時頃到着です。

船宿に着くと、まだ到着していない他の釣り人などを待ちながら、最近の釣果などを船長に聞きながら雑談して出船(確か4時頃の出船だったと思っています。)まで時間を潰します。

この乗り合い船は、ある一定の人数が集まらないと出船しないことになっているので、自分たちが着いた時間に釣り人が少ないとかなり心配になります。

この日は規定人数に達したので、予定通り出船です。下田から目的の銭洲まではこの高速艇でも3時間程かかりますので、その間は船の中で仮眠を取ります。

目的の銭洲について甲板に出てみるとそこは今まで見たことのない海の色で、沖縄のような浅い海のエメラルドグリーンではなく、深い海の群青色です。

銭洲

その青い海に唐突に突き出た島に打ち寄せる波がくだけてできる白い波が見事なコントラストを作り出していて、遠くの海に来たんだな…と実感させてくれました。

そんな感慨にふけっているまもなく、3人それぞれ自分の釣れると思える船尾や、舳先や胴の間に陣取って釣り開始です。

しかし、10分も立たないうちにNくんが船室に逃げ込んでしまいました。船酔いです…!!

船酔いというのは、陸に上がらない限り治ることが有りませんので、下田に戻るまで船室で横になっているしかありません…。

こればかりは同情してもなんともならないので、二人はそれぞれ釣りを続けていました。

ビギナーズラック!

釣り始めてどのくらい経ったのかわかりませんが、わたしの竿先がいきなり海の中に引っ張られていきました。その引きの強さは、誰かがいたずらしてわたしの糸をわざと手で引っぱたのでは…?と疑ったほどでした…

竿を立てようとしても、魚の引く力が強すぎていわゆる竿がのされた状態で、リールを巻こうにも空回りしてズルズルと糸が出ていくばかりでした…。

そこで、ドラグを締めてなんとか自分の方に引き寄せようと考えていると、いきなり船長の怒鳴り声がして、『ドラグを閉めない方がいい!糸が出ても、とにかくそのままリールを巻き続けたたほうがいい!』ということなので、とにかく無理矢理でもリールを巻き続けていると、少しずつ魚が上がってくる感触伝わってきて、そのうち弓なりにしなった竿も次第に立てられるようになって来ました…。

魚が海面近くに来ると、綺麗な薄いブルーに見える魚体が波に揺れておぼろげながら見えるようになりました。

ブルーに見えたのは海の青さのせいで、タモで掬ってくれて甲板の上におろした魚を見ると紛れもない高級魚のシマアジです。白い魚体が海面の青さでうっすらとブルーに見えていたことがよくわかりました。

針を外して魚をクーラーに入れると、なんだかすっかり力が抜けてしまって、しばらくは次の釣り支度ができませんでした…。

多分釣り上げるまでそれほど時間は経ってなかったと思うのですが、自分では30分以上も戦ったような気がした、ビギナーズラック!の釣果でした…。

くわえタバコに真っ黒な顔、生意気そうな若造ですよね…この日同乗していた年配のご夫婦が、わたしたちは1年間銭洲に通ってきているがまだ
1度もシマアジに会えてない…と言っていたのが印象に残っています。

その後N君は…?

シマアジを釣った後も、わたしだけでなくS君も何匹か魚を釣り上げ、納竿の時間を迎えたのですが、Nくんだけは相変わらず船室で苦しみ続けていました。

それでも、船宿に着くとN君もすっかり元気を取り戻しましたが、船酔いの不思議なのは、あれだけ苦しんでいたのに陸に上がるとケロッと治ってしまうことです。

で、普通は一度このような船酔いを経験すると、2度と船釣りはしない!という人がほとんどなのですが、このN君だけはその後2度3度とトライしました。

でも、1度も最後まで釣りができたことはありませんでしたね…

それなのにわたしたちがいつも往復に使っていた車は、Nくんが買ったばかりの新車のランドクルーザーだったんです…(当時はまだランクルが珍しい時代だったので、駐車していると覗きに来る人もいたりしたんですよ…)

銭洲だけでなく、金洲や八丈島にも…

その後、何度か3人で銭洲に釣行しましたが、Nくんが船酔いすることもあってNくんが一時行かなくなったので、S君と2人で釣行することが多くなりました。

ただ2人で出かけるとなると、S君は車の免許を持っていないので、わたしが東京まで迎えに行ってから釣行しなければならないのですが、若さのせいでしょうかね…、そのことはあまり苦になりませんでした…

それで、2人は銭洲だけでなく、ほんとにあちこち行きました…

八丈島や金洲、沼津、房総半島、三浦半島…等々のほかに、先にも書きましたが銭洲に行くには定員に達しないと出船しませんので、出船できない日はやむを得ずその帰り道、漁港という漁港に寄って、これから出船する船がないかを聞いてまわり、出船する船があれば釣りの対象が何であれその船に乗って釣行するのですが、そんな遅くに出る船の殆どがイカ釣りでした。

イカ釣り用の支度はしていませんので、イカ用の仕掛けだけを買い求めて、大型用の竿とリールでイカを釣って帰ることもありました。

イカは釣り味という点では魚のような強い引きがあるわけでなく、ただ重さを感じるだけなので、そういう意味ではあまり面白くない釣りですが、持って帰って喜ばれるのは圧倒的にイカでした。

その他色々な所に行きましたが、苦労したのが金洲です。と言っても釣りで困ったのではなく、帰りの車の運転です。

金洲に行くには東名高速の吉田ICで降りて御前崎から出船するのですが、銭洲で書いたように強行軍の日帰りの釣りですから、帰りは猛烈な睡魔に襲われます。

下田の帰りは眠くなっても、下道なのでどこかで休むことができたのですが、高速の場合はどこかSAにつくまでは、なんとしてでも運転をし続けなければなりません。

まして渋滞して車列がつながってしまうと、前に見えるのはズラッと繋がっているテールランプだけなので、自分が走っているのかどうか…、ベルトコンベアに乗って全体が動いているような錯覚に落ちいることがあり、はっ!とさせられることが何度もあったので、それからは金洲にはあまり行かなくなりました…。

100匹以上釣れたよ…!??

釣りには色々な釣り方があって、変わったところでは、巻きこぼし釣りと言って瓦のかけらなどにコマセと餌付きの針を乗せ、それをハリスでぐるぐる巻いて、船べりから海に落とすと瓦のかけらが回転して糸がほどけて落ちていき、糸がピンと張った途端にコマセが撒かれ、同時に針に刺さった餌が現れて、それに魚が食いつく…といった釣法なのですが、竿を使わないので慣れないと指が痛くなり、なかなかうまくゆきません。それでもイナダを一匹だけ釣ったことがあります…。

100匹以上釣れたのは、この釣法とは全く関係のない泳がせ釣りをするために、生き餌となる豆アジ(小アジ)を大物釣りに先駆けて釣った釣果です。

このアジを生かしたまま沖に出て、生きたアジを泳がせて狙うのはヒラマサやワラサ(ワカシ、イナダ、ワラサ、ブリと成長過程で名前が変わる出世魚、ワラサは関西ではハマチのこと)なのですが、この日は全く音信不通で、釣果はこの100匹超えの豆アジだけです。

さて、100匹以上の小アジ(14,5センチ前後)をさばくのは大変です…! でも、この小アジの唐揚げの揚げたては絶品!ビールのつまみには最高!!(大きいアジよりこのくらい小さい方が美味)

ある意味、本命のヒラマサよりこちらの方が良かったな…と思わせるものがありました。

これはその後リベンジで房総半島の行川沖で釣り上げたヒラマサ。シャッターを押すのが遅い
ので腕がつかれました…

釣り魚の料理…

せっかく釣った魚ですから、小さいものでも大きなものでも美味しく食べたいのですが、これがなかなかです…

以前、知り合いの家に釣った魚をおすそ分けした翌日、その人からお返しですと言ってお皿にきれいに盛り付けられた刺身をいただきました。

見事な盛り付けで、とても美味しかったのでなんの魚か聞いてみると、わたしの釣った魚だというのです…。

驚きました!ショックでしたね…

聞くとその方はプロの板前さんだということがわかりましたが、同じ魚でも料理の腕前でこんなにも味が変わるんだ…ということを実感させられた一日でした…。

その日以来魚のさばき方を真面目に勉強?するようになり、本も買ったり、柳刃も買ったりしたんですけど…

とてもプロの板前さんにはれないことを悟っただけでしたね…

最近の釣り…

今までの釣りの話の殆どが横浜にいた頃の話です。

埼玉に移ってからは、子供ができたことや職業も変わったりで、釣りに行く余裕(費用も時間も)がなくなったので、もっぱら気軽に釣りのできる地磯や防波堤の釣りに変わってきました…。

その上、埼玉から海はそう近くはないので、海そのものに行く機会も極端に減りました…。

それでもスキ?さえあれば海に行きたいという願望は常にあって、ヒマを見てはあちこち釣り場を求めて出かけるのですが、房総半島も三浦半島も釣り人のマナーが悪いせいでしょう、釣り禁止の立て札が多く目立つことや、ここはという場所でも駐車場がなかったりで、なかなか”ここ”という場所は見つかりません…。

しかしそんな中でも多少本格的な磯場の雰囲気が味わえる近場の地磯というと、城ヶ島や三浦半島の盗人狩り(この記事のタイトルの写真は盗人狩り)、あとは房総半島の明鐘岬ぐらいかな…なんて思っているのですが、明鐘岬には昔からなぜか崖の上にぽつんと一軒の喫茶店があり、BGMにジャズが流れていたりする不思議な磯場なのですが、数年前にこの喫茶店が吉永小百合主演の『不思議な岬の物語』という映画になってびっくりしました…。

これは映画のワンシーン
この喫茶店の前は、自然のままの崖の上の原っぱのようになっているので、車は空いているところにどこでも勝手に止めることができます。
クロダイが釣れるので有名ですが、私は一度もお目にかかったことがありません…。

さて、釣り場もさることながら、わたしも年令とともに老眼が進んだり、力仕事に従事することになったことで、節くれだった手指になってしまったので、釣り糸を穴に通したり、結束したりする細かい仕事が極端に遅くなってきて、時々自分にイライラすることも度々です…。

そんな事もあって、最近はできるだけ車横付けのできる楽な場所ばかり探して釣行するようになっています。というか、海に行く機会が極端に減ってしまったので、釣りに行くというよりも海を見に行くと言う感覚の方が強く、せっかく海に行くんだから竿を持って行くか…といった感じです。

こんな楽なスタイルで釣りをしているんです。釣り場の後ろにはわたしの車があり、この写真の先にはトイレもあるんですよ。
釣果もこんなものです。一応マゴチとカレーです。

でも、クーラーだけは大きなクーラーを持っていくんですよ! だからって、大きな魚が釣れたときのことを考えて…じゃないんです。

釣り場の近くや、帰り道に魚市場があったら、お土産の魚介を買うつもりのためなんです…

昔と違って、わたしが釣りに行ってくると言っても、誰も釣果を期待する人がいなくなっちゃったんですよね…

期待されないとか、あてにされない人間にはなりたくないですね…、

娘なんか、お父さんお魚じゃなくってさ、伊勢海老お願いしますよ…だって! ったくもうですよね…

ということで、わたしの趣味の釣りの話はこれくらいにしておきます。ホントはもっともっと釣りにまつわる面白い話もあるんですが、それを全部書こうとすると終わリがなくなってしまいそうなので、いつかまたそんなチャンスがあれば書いてみたいと思っています。

最後までお付き合いいただき感謝です。

ありがとうございました。

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